未経験50代からタクシー運転手になるには？！魅力や資格から就業までの流れを徹底解説

タクシードライバーは需要の高い職業であり、多くの人材を必要としている仕事です。昨今は人手不足に悩まされる会社も多く、新たな人材確保に注力するケースも増えています。

そんなタクシードライバーですが、50代・60代から未経験の業界に転職する人におすすめの職業でもあります。

50代・60代という年齢からでもチャレンジしやすい理由があるため、これから転職を考えているミドル・シニアの方は、タクシードライバーを検討すると良いでしょう。

本記事では、50代・60代の転職にタクシードライバーがおすすめの理由と、資格取得から就業までの流れについて解説します。転職先を探している方や、タクシードライバーに興味がある50代・60代の方は、ぜひ参考にしてください。

なぜ50代・60代に
タクシー運転手がおすすめなのか

タクシードライバーは、国内において重要な職業の1つです。地域や個人のライフスタイルによっては、生活に欠かせない存在になり得るでしょう。
そんな特徴を持つタクシードライバーが、なぜ50代・60代におすすめなのか、以下で解説します。

ミドルシニア世代を受け入れる風土がある

タクシードライバーは、50代・60代のミドルシニア世代も積極的に受け入れる風土のある業界です。人手不足の問題に直面していても、ミドルシニア世代の人材は採用対象としない業界も珍しくありません。

そんななか、タクシー業界は積極的にシニア世代を受け入れて、戦力として採用していく姿勢が目立ちます。

全国ハイヤー・タクシー連合会の調査では、タクシードライバーの平均年齢は約60歳となっています。年齢の高い人材が支えている業界であるため、中途採用でも職場に馴染みやすいでしょう。

社会のつながりとセカンドキャリアが作れる

タクシードライバーは、接客業の1種です。そのため働くことで社会とのつながりが生まれ、セカンドキャリアの形成が可能です。

50代・60代になると、これまでの人生とは異なる働き方や生活スタイルを考えるようになる人も多いです。なかには仕事を辞めて、一時的に社会とのつながりを絶ってしまうケースもあります。

しかし、社会とのつながりが希薄になると、精神的に負担となることも考えられます。そこで第2の人生として、社会のつながりとセカンドキャリアが作れるタクシードライバーがおすすめです。

柔軟な働き方ができる

タクシードライバーは、柔軟な働き方が可能な職業です。働く時間帯や労働時間に複数のパターンがあるため、自分の生活スタイルに合わせた働き方を選びやすいでしょう。

柔軟な働き方が可能となれば、自分の趣味に時間を使ったり、家族との時間を増やしたりできます。
プライベートが充実するきっかけになる点も、50代・60代にタクシードライバーがおすすめとなる理由の1つです。

未経験の50代・60代でも給料が高い

タクシードライバーは、未経験の50代・60代でも給料が高い傾向にあります。一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会によると、令和5年のタクシードライバーの平均年収は約418万円です。（都内の場合）

働き方次第でさらに稼ぐことも可能なため、高収入を目指してタクシードライバーに転職することもおすすめです。

50代・60代から未経験の仕事に転職すると、収入が減少することも珍しくありません。その点、タクシードライバーは50代・60代でも高収入を確保できるため、生活の安定を第1に考えたい人にとっても魅力的な職業になるでしょう。

カスタマーハラスメント対策が充実

タクシードライバーの仕事は、カスタマーハラスメント対策に力を入れている点も魅力です。タクシードライバーとしての仕事中は、基本的にドライブレコーダーが作動しています。仮にお客様の横暴な態度や暴言などがあっても記録できるため、トラブル解決につながりやすいです。

ドライブレコーダーがあるという事実が抑止力にもなることから、カスタマーハラスメントに悩まされにくい業界の1つでもあります。

ドライブレコーダーはさらに普及が進み、さらに高性能な製品も誕生しています。そのため今後もタクシードライバーの仕事において、カスタマーハラスメントは少なくなる可能性があるでしょう。

人間関係のストレスが少ない

タクシードライバーは、人間関係のストレスが少ない仕事です。同僚や先輩と一緒に仕事をすることがないため、社内の人間関係に悩まされることはほとんどありません。

一般企業では、社内の人間関係によって離職するケースが多いので、その点を考慮するとタクシードライバーの仕事は安心して働ける職業だと言えるでしょう。

ときには失礼な態度を取るお客様への対応も必要ですが、タクシーの業務では、同じお客様に再び出会う機会がほとんどないので、接客におけるストレスも最小限で抑えられます。

対人によるストレスが一瞬で済む点も、タクシードライバーが転職先としておすすめされる理由です。

これまでの経験を活かせる

タクシードライバーの仕事では、複合的なスキルが求められます。そのため50代・60代の方は、これまでの経歴で習得したスキルを使って仕事が可能です。

例えば社会人としての基礎マナーは、お客様との接客時に役立ちます。コミュニケーションスキルがあれば、会話によってスムーズに仕事を進めることもできるでしょう。

自分のスキルを棚卸しして、タクシードライバーの仕事に活かせないか考えてみると良いでしょう。

道順やお客のいる場所がわかるようになった

タクシードライバーになる場合、「道に詳しくないから案内できるか不安」「お客様を見つけ出す自信がない」など、悩んでしまうこともあるでしょう。しかし、現在はカーナビやタクシー専用アプリの普及によって、簡単に問題を解決できます。

基本的にカーナビを使って目的地までお客様を運ぶため、道に詳しくなくてもスムーズに仕事が可能です。タクシーアプリによって、お客様の方からタクシーを呼び出す仕組みがあるため、未経験でもしっかりとお客様を確保できます。

テクノロジーの発展によって、働きやすい環境が完成している点も、タクシードライバーがおすすめされる理由です。

タクシードライバーの種類

一言で「タクシードライバー」と言っても、そのなかには複数の種類があります。以下では、タクシードライバーの主な種類とそれぞれの特徴を解説します。

タクシードライバー

お客様を目的地まで送り届ける仕事を担うのが、一般的なタクシードライバーです。タクシードライバーは基本的に1人で仕事を行うので、人間関係によるストレスを感じにくいのが特徴です。

タクシードライバーの労働スタイルにはいくつかのパターンがあり、流し営業や待機営業などの方法で仕事をします。

タクシードライバーの給与は、基本給に加えて歩合制で決まるのが一般的です。先の解説通り、昨今は気軽にタクシーを呼べる専門のアプリが普及しているため、歩合給もそれなりの額を期待できるでしょう。成績が良いとタクシードライバーとして評価され、基本給がアップすることもあります。

ハイヤードライバー

ハイヤードライバーとは、貸切のタクシーを専門に運転するドライバー職です。予約を受けたうえでお客様を迎え、接客と運転業務を担当します。

基本的に通常のタクシーよりも、ハイヤードライバーは高級なものとなります。そのためハイヤードライバーもより高度な接客が求められ、専門的な知識が必要になることもあります。

予約に合わせて働くことになるため、タクシードライバーのように突発的に仕事が舞い込むことは少ないです。働く時間やタイミングが明確になりやすいので、万全の準備をして仕事に臨めるでしょう。

介護タクシードライバー

介護タクシードライバーとは、その名の通り介護が必要なお客様を送迎する職業です。運動能力の低下になどによって自由に動けないお客様をサポートし、病院や介護施設に送るのが主な業務となるでしょう。介護タクシードライバーの仕事はあくまで送迎であり、要介護者の支援や介護業務は担当しません。

一方で、介護職員初任者研修の有資格者の場合、介護保険タクシー乗務員の役割を担うことも可能です。介護保険タクシー乗務員として働く場合、運転業務の他、お客様の乗車や降車のサポート、身体介護や生活における支援などを行います。

また、訪問介護サービスに転職し、お客様の自宅で介護支援を行うことも選択肢の1つになります。

タクシー運転手になるために必要な資格

タクシードライバーとして働くには、必須となる資格があります。以下では、タクシードライバーに必須となる資格について解説します。

第二種免許の取得条件

タクシードライバーになるには、「普通自動車第二種運転免許」が必要です。普通自動車免許ではなく、「二種免許」の取得が必須となります。普通自動車第二種運転免許とは、営利目的で公道を利用し、お客様の運送を行うために欠かせない免許です。

タクシードライバーや介護タクシードライバーとして働くのなら、まず普通自動車第二種運転免許の取得を目指しましょう。

普通自動車第二種運転免許を取得するには、「自動車の免許を取得して、運転経歴が3年以上ある」「満21歳以上」「両眼で0.8以上、片眼がそれぞれ0.5以上ある（メガネ・コンタクト可）」「信号機の色が判別できる」「三桿法を使った深視力検査でその誤差が平均2㎝以下」「10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる」「運転に支障をきたす身体的な障害がない」などの条件を満たす必要があります。

運転免許を取得していきなりタクシードライバーにはなれないため、事前に運転経験を積んで慣れておく必要があります。

第二種免許の取得方法

第二種免許を取得するには、自動車教習所に通うのが1つの方法です。一般的な自動車免許と同様に、教習所の授業のなかで基礎から学ぶことが可能です。

タクシードライバーとしての仕事の流れも学べるので、就職・転職前に基本を身につけられるでしょう。教習所の授業を受けて卒業できれば、技能試験を受けず資格が取得できます。

自動車教習所に通う以外にも、合宿免許で取得する方法があります。短期間で第二種免許を取得したい場合には、合宿に参加することも検討されるでしょう。

試験を直接受けて合格する方法でも、第二種免許を取得できます。試験場で学科試験と技能試験に合格できれば、そのまま資格を得られます。しかし、第二種免許の合格率は低く、1回で合格するのは簡単ではありません。

タクシーセンターにおける試験 

タクシーセンター（公益財団法人東京タクシーセンター）とは、「タクシー業務適正化特別措置法」に基づいて、サービス向上と利用者の利便性確保を目的とした場所です。

東京でタクシードライバーになるには、タクシーセンターを訪問して各種研修を受けたり、運転者登録を行ったりします。運転者証が交付される場所でもあるため、タクシードライバーを目指す際には必ず訪れることになります。

タクシーセンターでは、「タクシー事業に係る法令、安全及び接遇」の試験を受け、合格することで東京でタクシードライバーの仕事が可能となります。タクシーセンターの試験は、第二種免許を取得する際の試験よりも難しいと言われているため、しっかりと備えを行っておく必要があります。

試験は法令・安全・接遇の3項目から出題され、正答率80％で合格となります。かつては「地理試験」も行われていましたが、現在はなくなっています。

その他、タクシー営業を行うための「ユニバーサルドライバー研修」もタクシーセンターで実施されます。4日間の新規講習を受けることも必須であるため、スケジュールを調整しておきましょう。

採用までのステップ：
会社探しから面接まで

タクシードライバーの資格を取得したら、就職・転職の準備に移ります。以下では、会社探しから面接までの流れについて解説します。

タクシー会社の選び方

タクシー会社には、大手・中小・地場企業といった種類があります。大手企業は福利厚生や研修制度が充実しているため、安心して働ける点が魅力です。中小企業は歩合率が高いケースが多いため、働くほど高額な報酬を得られる可能性があります。

企業ごとの規模に加えて、会社の立地や営業エリアなどを参考にして、就職・転職先を選ぶのがポイントです。

求人応募〜面接の流れ、面接でよく聞かれるポイント

気になるタクシー会社を見つけたら、求人を探して応募し、面接を受けるのが基本的な流れです。面接前にエントリーシートを提出するケースがほとんどなので、事前に内容を考えておくと良いでしょう。面接では主に、「転職理由」「過去の運転経験・事故歴」「体調面」などを聞かれます。

シニア歓迎企業の特徴

50代・60代からタクシードライバーを目指すのなら、シニア歓迎の企業を探すのも重要です。基本的にどのタクシー会社でも50代・60代の人材は歓迎されていますが、「地元密着型の企業」や「シフトの融通が効く企業」は特に50代・60代の人材が働きやすく、歓迎されているケースが多いです。

未経験者向け研修プログラムとサポート

50代・60代からタクシードライバーになる際には、未経験者向けの研修プログラムとサポートが充実しているのかもチェックすべきポイントです。

接客研修、安全運転研修

接客研修と安全運転研修は、タクシードライバーに必須のスキルを身につけるための重要な研修です。未経験の場合、お客様とどのように接すればいいのか分からず、トラブルに発展する可能性もあります。

事前に研修を受けてトラブルを回避する方法と、万が一問題が発生した際の対処法を学んでおきましょう。

メンター制度や先輩運転手からのサポート

タクシードライバーを募集している企業は、メンター制度や先輩運転手の積極的なサポートを実施していることも多いです。メンター制度とは、新入社員に対して先輩社員がサポート担当として対応する方法です。

先輩運転手から接客の方法、トラブルの事例、困ったときの対処法など、業務にまつわるさまざまなことを教えてもらえれば、未経験でもスムーズに仕事に慣れることが可能でしょう。

入社後のフォローアップ

タクシードライバーとして入社してから、どのようなフォローアップが得られるのか確認しておくのも大切です。タクシー会社によってはフォローアップ研修を行い、仕事に慣れるまでバックアップしてくれるケースもあります。

大手企業ほどフォローアップが充実している傾向にあり、逆に中小企業は最低限のフォローだけにとどまる可能性もあります。

まとめ

未経験の50代・60代でも、タクシードライバーとして第2の人生を歩むことは可能です。慢性的な人手不足に悩んでいる業界であるため、未経験かつシニア世代でも問題なく就職・転職を叶えられます。タクシードライバーの仕事に興味があるのなら、この機会に就業までの流れやポイントをぜひご確認ください。

タクシードライバーの「収入モデル、シフト、1日の流れ」　周りについて詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください！